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1 ずっと、あなたのことが、好きでした
永嶋駿一 様
昨夜、久しぶりに「星の王子さま」を読みました。
永嶋さんがしてくれたバラの花の話が、今でも私の心に残っています。
そして、あなたのその低く、優しい声も。あたたかな瞳も。
花火大会もすてきな思い出です。
目を閉じると、夜の空にあがった花火の赤や緑の光がまぶたの内側に浮かび、そしておなかに響くどおんという音が思い出されます。
あなたはその美しい横顔で夜空を見上げていましたね。
私はあなたの瞳の中に映る花火の輝きをそっと眺めていました。
参道に並ぶ屋台の黄色い明かりの中をあなたと歩きましたね。
まるで夢の中の景色を歩いているみたいでした。
なんでも器用にできてしまうあなたより、不器用な私の方が金魚すくいが上手かったときはちょっと誇らしかった。
クリスマス・イヴのピアノのことは本当にごめんなさい。
私の独りよがりで、あなたとあなたの思い出を深く傷つけてしまいました。
私は、あなたに自分自身が生まれた日を笑って祝福してもらいたかった。
そして、私はこれから先も毎年、あなたのそばで一緒にあなたの誕生日をお祝いすることができたらなと思って、あの曲を弾きました。
この手紙を書きながら、私は永嶋さんと一緒にいた時間をふりかえって、
本当にすてきな季節をすごしてきたのだなと思いました。
あなたと出逢ってから今まで、毎日がきらきらして、あなたのように人に優しく笑いかけることがどれほど周りの人を、そして、何より自分を元気にしているかを教えてもらいました。
それから、本当の幸せというのは、毎日の何気ない、ほんのささやかなことにあるのだということも。
私はあなたに出逢うまで、誰かに愛されたいとばかり叫んでいたような気がします。
なぜ、誰も私のことを愛してくれないのだろうと嘆いてばかりいたのです。
でも、あなたや、私に恋の悩みを打ち明けてくれた様々な人々のおかげで、私はようやく気づきました。
愛されたいと叫んでばかりいないで、自分から誰かを愛そうと。
人を心から愛することのできる人になろうと。
だから、私は最後に、あなたに自分の気持ちをはっきりと伝えたい。
私は出逢ったときからずっと、あなたのことが
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