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プロローグ 祖父の野球帽と一枚の写真
ルーカス・グリーンが自分の祖父であるクレイトン・グリーンの安らかな顔を思い出し、最高の死に方について考えているとき、その写真が目の前にあらわれた。
それは、フォト・ブースで撮ったものらしく、縦長の4枚綴りのうち、半分が切り取られたモノクロ写真だった。
手に取った小さな紙片をよく眺める。かなりの年数が経っているせいか画像は不鮮明で、上からセロテープのようなものが何度も貼られた跡がある。
自分の目に映ったその光景に目を疑う。
それは、クレイトンが、見知らぬ男性と見つめあっている一枚と、その下の、おそらく最後の一枚は、二人が唇を重ねているものだった。
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