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仕事上の関係もあって、披露宴をする場所は限られそうだ。それよりも優秀な一颯さんが私みたいな出来損ないの社員と結婚して良いものなのか?一颯さんが批判を受けてしまうのではないか?不安は付き物である。
「……顔面蒼白って感じがするけど、大丈夫か?」
「大丈夫じゃないです。考えてみたら、一颯さんと結婚するのは怖いなって思いました……」
下を向いてグダを巻く私の顔を一颯さんが覗き込んだ。
「……?俺、何かした?」
「何もしてません。私、評価Bだから……役員さん達に一颯さんが批判されたりしませんか?こんな社員と……って!」
「被害妄想凄いな。それに評価はBじゃなくてAだから!お前の事、天下の一条様も認めてるんだから、誰も何も言わないし、俺はお前じゃなきゃ嫌だって何度も言ってるのに分からず屋め!」
力強く抱きしめられる。
「これ以上、不安にさせないで。入籍するのはまだ先の話だから、指輪だってお前を繋ぎ止めるだけの物でしかないんだから……」
「私は一颯さんしか考えてないのに不安になるの?」
「お前が結婚するのが怖いって言ったからだろ」
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