【番外編】君を一生、愛すると誓う──(side:一颯)

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お父さんは余り話をしないが、お母さんと妹の祐里奈ちゃんはどんどん話をかけてくるので、その都度、笑顔で対応する。妹の言い分に「そんな風に言わなくても良いでしょ!失礼ね!」と恵里奈は反論していた。ムキになって怒っているのも可愛い。 「何事にも一生懸命なところに心が打たれたし……、後は可愛いところです」 聞かれたので答えたのだが、一同、フリーズしたのか黙ってしまった。黙られると恥ずかしさが込み上げてくる。ヤバイ、俺とした事が……、顔に火照りを感じてきた。 「うわー、やるじゃん!お姉ちゃん!」 祐里奈ちゃんが、恵里奈を茶化す。 「そうだな、恵里奈。一颯君程の男性は居ないから、縁を大切にしなさい」 黙っていたお父さんも口を開いた。その後は雑談をした後、結婚の承諾も得られて心から安心する。 ──恵里奈の実家からの帰り道、恵里奈が通っていた小学校の前を車で通り過ぎる。校庭には学生達が体育の授業で外に出ていた。 「懐かしいなぁ、小学校」 恵里奈がしみじみ呟いた。 「恵里奈はどんな小学生だった?俺はいつも、咲希に威張られて過ごしてた。アイツも男に産まれて来たら良かったんだよな……」 「あははっ、咲希さん、そんな感じだったんだ。二人は本当に仲良くて良いなぁ。私は祐里奈が言う様に鈍臭いから登校中に転んだりして、朝から保健室に駆け込んだりしてましたよ!」
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