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助手席で笑って話す恵里奈。お互いが小学生時代に出会っていても、可愛かったんだろうなぁ……と想像する。きっと、どの瞬間に会ったとしても、俺は恵里奈が気に入っていたと断言出来る。
「今度、恵里奈のお母さんに小さい頃の写真を見せて貰おうかなぁ……」
「そ、そーゆーの止めて下さいね!お母さんにも絶対に卒業アルバムとか出さないように言わなくちゃ!」
何気ない一言に必死になって阻止しようとする行動も可愛い。マンションに着くまでに、沢山の子供時代の話をお互いに交わした。
明日はお互いに仕事だが遅番にして貰ったので、出勤はゆっくり。夕食は外で済ませてきて、風呂も入ったので後はのんびりタイム。
最近、恵里奈が泊まった時はお互いの髪を乾かしあっている。恵里奈専用のシャンプーの香りが漂う。
「ありがとうございます、次は一颯さんの番ね」
ソファーに座っていた恵里奈はドライヤーを俺の手から奪い、交代する。半分乾いていた俺の髪は、直ぐに乾いた。恵里奈はドライヤーを片付けた後、再び隣に座った。
「今日は御挨拶に来てくれてありがとうございました」
恵里奈が俺の目を見て言う。
「こちらこそ、段取りしてくれてありがとう。御両親が結婚前提の交際を認めてくれて良かった……!」
「一颯さんだもん、認めてくれるに決まってますよ」
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