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「朝の時点では鈴木様は連泊の確認が取れていましたので、ハウスキーパーにはアメニティとタオル等の交換のみとお伝えしました。その後に発生したミスになります。申し訳ありませんでした」
支配人が叱責する中、何度も頭を下げて謝るマネージャー。事務所の中でパソコンを見つめながら、少し震え気味で目を泳がせている女子社員。
「大体の事は分かりました。お客様に御迷惑をおかけしてしまうので、ミスがあったら勝手な対処をする前に速やかに報告して下さい。隠し通そうとする程、大事になる」
お互いの意見に納得したのか、支配人は穏やかな顔付きになったと思ったのが束の間、
「ミスをした本人が謝らず、他人に擦りつける行為は卑劣で最低だ。今回の件で減給されたくなければ、支配人室まで後程来るように!
それから、篠宮 恵里奈は今日限りでフロントを解任する」
と冷酷そのものの睨みを効かせて、言い放った。
事務所内が静まり返り、お客様からの電話のベルが鳴り響いているが社員達は受ける事をためらっている。
「篠宮は私と一緒に来なさい」
「は、はいっ」
支配人に言われるがまま事務所を出た後は、背中を見て歩く。
背も高く、背筋を伸ばして足早に歩く姿は、とても凛としていて惚れ惚れする。
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