1・転がり込んできたアイドル

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 今日は、そのなかの一社の大手出版社から、週刊誌の記事の件で訴えられそうだ、との急ぎの相談があり、判例を集めるため、休みのわたしも、急遽(きゅうきょ)呼び出されたのだった。 「先生。もし必要がありましたら、明日も来られますけれど」 「いや、だいたい 目途(めど)はついたから大丈夫だ。明日は一日ゆっくり休んで」 「はい。ありがとうございます」 「さて、ぼくはもうひと踏ん張りだな」  高柳先生はさわやかな笑顔を浮かべ、わたしを見送ってくれた。  
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