プロローグ

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プロローグ

    ************    寝返りを打つと、吐息に首筋をくすぐられた。  目を開けると、隣には安らかな寝顔。  そっと髪を撫でる。  彼女は小さく身じろいだけれど、起きる気配はない。  よかった。  夢じゃなかった。  首筋に残る、ちいさな赤い跡。  それを見たとたん、昨夜の記憶がいっきに蘇り、脳に痺れを感じた。 「やだ、こんなとこに跡つけたの?」  なんて、あとで文句を言われそうだけど。  でも、想像通り、いや、想像以上だった。  彼女の表情、身じろぎ、遠慮がちに発せられる声……  そのすべてがおれを酔わせた。    そんなこと思っていたら  また欲しくなってきたけど……  いっこうに起きる気配がない。  キスしたら起きるかな?  でも……  あんまり気持ち良さそうに寝ている顔を見ていたら、おれも眠たくなってきた。  もう一眠りするかな。  安らかに寝息を立てている、最愛の恋人の隣で……     ************
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