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プロローグ
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寝返りを打つと、吐息に首筋をくすぐられた。
目を開けると、隣には安らかな寝顔。
そっと髪を撫でる。
彼女は小さく身じろいだけれど、起きる気配はない。
よかった。
夢じゃなかった。
首筋に残る、ちいさな赤い跡。
それを見たとたん、昨夜の記憶がいっきに蘇り、脳に痺れを感じた。
「やだ、こんなとこに跡つけたの?」
なんて、あとで文句を言われそうだけど。
でも、想像通り、いや、想像以上だった。
彼女の表情、身じろぎ、遠慮がちに発せられる声……
そのすべてがおれを酔わせた。
そんなこと思っていたら
また欲しくなってきたけど……
いっこうに起きる気配がない。
キスしたら起きるかな?
でも……
あんまり気持ち良さそうに寝ている顔を見ていたら、おれも眠たくなってきた。
もう一眠りするかな。
安らかに寝息を立てている、最愛の恋人の隣で……
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