磯巾着、出世魚を食らう

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「が…っ…ああ、ああ、深ぇ、深すぎ…るっ!」 「腰を引くんじゃねえ!まだ、まだ…っ!」 「ゴリゴリきてる…っご…あ、あ!ゆるんじま」 「こんなもんじゃねえぞ、俺を捨てたら手首までずっぽり入れて、腸を引きずり出してやる…からな、あ、ああ締まる、締まる、おじさん、もっとだ!」 パンッ、パンッ、と尻がぶつかり合い、ぶちゅぶちゅと気味悪い音が聞こえる、シコシコと扱く音は突っ込まれながら伊香が息子を慰めているんだろう。 途中、少し止まって、玉の位置をちょいと直してから動いた竹沢さんが達したのはそれからすぐだった。 熱い、と伊香がうなされたように注ぎ込まれる液体の感想を言うのを聞きながら竹沢さんは一度穴から自身を取り出した。そして自分は俺達の方に向かってあぐらを掻き、その上に伊香を乗せて、萎えた棒を無理やりねじ込む。 ゆらゆらと腰を動かして、伊香の体内で固くなった棒を、ぎりぎりまで抜くと、伊香の腰を持って、一気に突き落とす。 伊香は汚れた顔を歪めてすすり泣きを始めていたが、その息子が元気な所を見ると、感じているんだろう。リビングの床が液体にまみれ、俺達が早く終わってくれないか、と願っていた時、ビクンッと伊香が身じろいだ。 竹沢さんが伊香の膝の後ろに手を回し、まるで子供を小便させる格好を取らせる。 やめろ、と伊香が言うのを楽しんでいるように竹沢さんは伊香の耳を噛み、いいじゃねえか、と囁いた。 「俺の可愛い子分に見せてやろうぜ、俺とあんたが繋がっている所を、な。太え物が入ってるのにあんたは随分余裕だ、それじゃあつまらんだろう。起きたら可愛いがってもらおうじゃないか、二輪差しか、三本一気にやるか。それとも久しぶりに味わいてえか。あんたは若いのが好きなんだろう、こいつらは俺よりは若いぜ、しけた面はしているが、おじさんの好きなアレはビンビンだ」 「よ、せ」 呆けた顔を横に振る。 下半身は酷い物だった。反った赤黒い物と玉、その下にはっきりと見える磯巾着、珊瑚、海鼠、ゴーヤ、なんかを連想させる大業物を付け根まで飲み込んでいる口は伸びきって、なにかトロトロとした液体を漏らしながらひく、ひく、と痙攣している。 洒落にならねえ部分、なんともグロテスクだった。 なのに俺の息子は少し、熱を持っている。 冗談じゃねえ、俺はまともだ。 ああ、ひんひん泣いている、水の音がして、俺の兄貴がおっさんを犯している。 夢中になっているその顔は熱に浮かされている病人のようで、この中でいかれているのは竹沢さんただ一人のように見える、と思った時、伊香の甲高い雄叫びが聞こえて、びしゃっと俺の顔に熱い飛沫が飛び散った。 …全く俺はついてねえ。 生臭い魚の匂いに耐えきれなくなった俺が寝相の振りをして寝返りをうつと、相棒のサンマと目が合った。 奴の口がきったねえ、と動き、俺はいつかサンマも同じ目にあわせてやる事を誓う。 まだ伊香の叫び声は続いていた。 夜は結構長かった。
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