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「豊島君、すまないが外で待っているお客さんでもし傘を持ってない人がいないか見て来てくれ」
清水はアルバイト店員に言った。
こういう気のつくところも清水の人柄の良さである。
隣の店舗のひさしはあるが、それでもズブ濡れになっていたら可哀想だ。
「そうか店の傘を貸してやってくれ」
やはり傘を持たぬ客がいたのだった。
「はい、特上ロースステー上がり」
厨房で焼いたステーキをカウンターに置く。
美味い、これで3000円なら安いもんだ。
ニンニクもいけるね。
客の声は清水にも聞こえる。
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