黒いほころび

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「豊島君、君、用がなかったらちょっと寿司でも食べて行かないか?」 寿司?いいんですかと閉店の片付けをしている豊島がにっこりした。 このようにちょっと儲けが出るとすぐに散財し、アルバイトにもいい顔をさしたいのが清水と言う男。 「回転寿司じゃないぞ」 レジを閉めた清水はどんなもんだと胸を張る。 清水は高校を出ると普通のサラリーマンとして10年働いた。 だが、清水にはその勤め先は肌に合わなかった。 高卒なので出世の望みは薄いし、何よりも毎日9時から5時までの会社生活はどうしても清水には退屈だった。 そんなある日、清水に思いがけないチャンスが到来した。
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