まさに、青天の霹靂

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まさに、青天の霹靂

 学校側の計らいか、偶然か、小学校の時から四人ともずっと同じクラスだった。  絶対偶然なわけがない、市議である父が裏で手を回してるに違いないだろう。  高校に上がった今も、私たちの関係性は何も変わってはいない。  4月生まれでしっかり者の東狐(とうこ) 慶寿(けいじゅ)は、私たちのまとめ役だ。    鬼熊(おにくま) 凌牙(りょうが)こと凌ちゃんは、身長は既に180を超えているしイカツイ名前だけれど。それに似合わず、ほんわか男子のままだし。  狼谷(かみたに) 宋丞(そうすけ)に至っては、脳内はまだ小学生だろう。弁当のおかずと空手にしか興味が無さそうだ。  そして『志龍の姫』とか呼ばれてるごく普通の私。髪型は、おかっぱのままで、ずっと変わらない。凌ちゃんから見たら30センチも小さいし、なんなら幼児体型のままだし。あ、なんだか悲しくなってきちゃった。  その四人が一緒にいることに、初見の人は戸惑いを覚えるみたい。  違う町から来た子は、なぜ私のように一見平凡女子の側に、彼らがいるのかと首を傾げている。  私への風当たりが、とっても強い。  仕方がないのだ、どうやら彼らはそれぞれモテるらしいから。
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