まさに、青天の霹靂

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 ガシガシガシっと無造作に髪をかきあげて。 「まあ、いいや。二時間休んだから回復したし。仕方ねえから、ここはお前に譲ってやんよ。ただし今回だけな?」 「なにそれ! 宗丞の場所ってわけじゃないじゃん! いいわよ、私戻るし」 「戻ったとこで、どうせまた慶寿の取り巻きに睨まれて居心地悪い目に合うんじゃねえの?」    うっ、図星。  まるで全部見てきたかのような言い方だわ。 「お前らとっとと付き合えばいいじゃん。そしたらお前ん家の父ちゃんだって安心するし、周りももう何も文句言えなくなるし」 「その話は止めて」  あの日のことを思い出したら胸が苦しくなるんだ。  忘れたいんだ、もう――。  二人の間に流れる沈黙、途切れさせたのは宗丞が噴き出したからだ。 「なに、笑ってんのよ?」 「いや、お前さ? 怒ると絶対口尖らすよな、全然変わってねえよな。オレと初めて会った時もその顔してたもん」  クックックと笑いが止まらなくなる宗丞に何も言い返せない。  確かに私、宗丞と初めて会った時、口尖ってたかもしれない。  でも、あれは宗丞が悪いのであって。  それに気づいて必死に唇を噛みしめて堪えた。
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