助けて、五里霧中

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「で、決めたの? 天音ちゃん」  食後にメロンを切ってくれた結子さんが、なんだかとっても楽しそうに会話に加わってきた。 「決めたって、何をです?」  わかっているけれど、話をはぐらかそうとする私に。 「ねえ、天音ちゃんったらとっても贅沢な三択をしてるって自覚ある? 慶寿くんに、凌牙くん、宗丞くん。あんなイケメン三銃士を側にはべらせておきながら、誰も選ばないなんてありえないでしょう? 私が天音ちゃんだったら悩み過ぎて選べないかもしれないわ」  興味津々、身を乗り出した結子さんに、コホンと満兄さんは小さな咳払い。  その意味に気づき、ペロリと舌を出して笑った後で。 「私のイチオシは宗丞くんなんだけどなあ」 「なんでっ!?」  思わず結子さんのその意見に食い気味に反応してしまった。  だって私の周りと来たら多分。  父様は慶寿、満兄さんも慶寿だったし。あ、息吹だけは凌ちゃん、いっぱい遊んでくれるからって理由で。  父様の周りの大人たちも皆、慶寿がいいだろうと勧めてきていて、そんな中で宗丞なんて一度も今まで言われたことなかったから。 「え? だって、宗丞くんって可愛いと思うよ? 男の子って感じ、まだどっかやんちゃな感じもするけれど、見かける度に男らしくなってる感じで。あの子は、この先めちゃくちゃモテると思うの、うん」  まるでアイドルの追っかけをしているみたいに目をキラキラさせた結子さんに、満兄さんは何とも言えない表情をしていた。
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