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三人のやり取り見ていたら、なんだか心が温かくなってくる。
いいのかな? 私、弱音吐いてもいい? 三人の前だけでも――。
「ねえ、だったら約束してよ」
ずいっと立てた小指を三人の前に突き出した。
「三人共、私より先に死なないでよね! 時々、私の愚痴を聞いてね。あと、友達でいてよ、ずっと……」
お願い、私を一人にしないで。
「当たり前でしょ」
微笑みを浮かべた凌ちゃんの小指が優しく絡む。
「友達つうか、仲間でしょ! 生まれる前から、姫とオレたちはずっと繋がってるし」
慶寿も目を細めて頷き、約束を交わす。
けれど、私たちの様子を見ても何も動かないでいる宗丞。
三人で見上げたら。
罰の悪そうな顔をして、ふんっと鼻を鳴らした。
「……、仕方ねえな、俺より先に死なねえんなら約束してやるわ」
と威張った顔で小指を思い切り絡めてきた。
「い、ったい!! 何よ、仕方ないって! 勝手に約束変えるし!!」
偉そうに、偉そうなんだけど、嬉しくて。
胸の中がポカポカして、どんどん何かが解けていく感じがする。
そうしている内に、階下にざわめきを感じ始め、父様が私の部屋に勢いよく駆け上がってきた。
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