『因果応報』

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『因果応報』

 むかしむかし、大変欲張りな王様がいました。  人の宝物を横取りするのが大好きで、東にあかいダイヤモンドを持つ富豪がいれば、兵士を派遣して奪い取り。西にお金になる油田が湧いたとあらば、掘った主を殺して、権利を掌握。  とにかく、なんでもかんでも自分の手にしないと気が済まない、困った王様でした。  そんな王様は、北の国を滅ぼし、国王が大事にしていた、美しいお姫様を連れ帰ってきました。  お人形のように美しいお姫様を、自分の后にしようとしたのです。  そして結婚式の夜。  王様はお姫様に、ナイフで喉をひと突きされて、呆気なく。 「人の宝を奪う暴君を討ったまでです」  そう満足げに笑うお姫様に、家臣たちもたいそう感謝しましたとさ。 300文字。 第80回Twitter300字SS様参加作品。お題『宝』。 現実も、こう簡単に天罰の降る世界なら良いのですが。
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