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プロローグ
「ふわ?眠い。なあ、レイア。そろそろお茶にしてくれねえか」
「ルカさん。今、ちょっと無理です」
薔薇の花園のベンチ。手が泥だらけの彼女はそう答えた。長い足を組んだ彼はゆったりとあくびをしていた。が、急にその足を閉じムッとした顔を作った。
「……どうしてなの?僕は王子だよ?命令違反は国外追放だよ」
「ユリウス王子ですか?あのですね。お二人には再三、説明申し上げていますが」
庭で草取りをしていた泥だらけのレイアは立ち上がると、麦わら帽子のツバをそっと上げた。
「庭番なんです、私。お茶ならどうか、綺麗なメイドさんに淹れて貰ってください」
「えええ?」
驚き顔の王子。さて、今の彼は、どっちでしょうか……。
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