プロローグ

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「ま……そういう事だから…そろそろ僕は行くよ」 「早いね...」 「他にも言いたいことはあるけど気付かれるとシストが危ないからね……」 「心配してくれてありがとう......」 「それじゃ...頑張ってね...シスト!見えなくても応援してるよ!」 その声と共に黒い箱を残してクロノはスッと消えてしまった 箱の中には黒と白の小さな封筒や青い水晶のような石、虹色の宝石のついたペンダント、少し大きい黒い箱が入っていた そして少し悩んだ後にシストは、黒い封筒を最初に開いた。 その中には文字の並んだ文章があった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー シストへ 箱は開けたかな?一応一つずつ説明するよ。 黒い封筒は僕の手紙で、白い封筒はアイシスの手紙だよ。 青い石ころがフルーレ様の持っていた転移結晶で、 ペンダントはフルーレ様がアイシスの部屋に残していったもの。 黒い箱は僕からのささやかな贈り物!中身は開けてからのお楽しみ! フルーレ様が居なくなってしまったのは信じたくないと思うけど、 本当だよ...でも僕にはどうしようもないから受け入れるしかない。 それとここにいる奴は僕以外全員裏切り者だと考えていいよ。 勿論僕の大切なシロでさえもね。それとマヴェリアさん達は逃げたよ。 僕は諜報員として情報を集めてマヴェリアさん達と魔界の新勢力を作ろうと思ってる。 シストも頑張ってね。遠くから応援してるから。生きて僕に会いに来て 死んじゃダメだからね...大切な親友に死なれるなんて耐えられないし。 あんまり長く書くと鬱陶しいと思うから最後に一つだけ。 いつかみんなでフルーレの願いを叶えてあげよう。 ーーーーーーーーーーー人間達と悪魔達の幸せを作るという...ーークロノよりーー その文章を読んでシストは何とも言えない気持ちになった 何故これほどに自分を大切にしてくれているクロノまでも疑ってしまったのか... 何故、お母さんが死んでしまった事を受け入れられなかったのか。 そんな気持ちでシストは白い封筒を手に取った――――――――――――
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