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サル以外の部下も部下である。
お館様により近いはずの古株の部下は、そんなお館様を諌めるでもなく、尻尾を振って媚びてばかり。
この権力の犬め!と、サルは何度も怒鳴りそうになった。
其奴以外にも、いつも忙しそうに飛び回っている古参の部下もいるにはいるが、そいつはそいつでサルとは気が合わず、いつもサルを上から見下してくるので、最近は口も聞いていない。
これは、国の民のためにも自分がやらねばならぬ。
サルは決意した。
お館様と二人だけになれる隙を狙い、お館様をこの手で排除するのだ。
そう決意を固めてから、早や三月。
ようやくその日がやってきた。
お館様が、信頼できる部下であるサルに、秘術を仕込んだ薬丸を与える日が来たのだ。
お館様は、先祖伝来の秘術で拵えた薬丸を飲み込ませて、部下の心を洗脳する。
その薬丸を口にすれば、たちまちお館様への忠誠心が溢れ出し、戦に出ても疲労と恐怖心を忘れることができるシロモノだ。
ただその薬丸は数ヶ月に一度投与しなければ、効果が切れてしまう。
そのことに気づいたサルは、前回その薬丸を飲み込むふりをして、お館様に悟られぬよう吐き出していた。
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