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Ending
単なる噂話に過ぎないが。
昔々のあるところ、貴族のような見た目の謎の男が、白髪の少女を連れて旅をしていたそうだ。
男は街を巡っては、吟遊詩人のように噂を売り歩いたという。
眉唾の話として語られるには、『噂売り』の男は、世の本質を知る賢者と言われる『暦の統一者』暦皇ユーリスと同一人物ではないかと言われている。
さらに無稽な空想として語られるには、兎の耳が生えた連れの少女は、時を支配する魔法を繰る『時の旅人』という、今や途絶えた一族の者ではないかと言われている。
そんな話を信じる輩など、そうそう居るものではないが。
さてさてお立ち会い、こんな根も葉もない戯言にお付き合い頂いたあなたへ、良いお話がございます。
──噂話を、買いませんか?
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