家庭訪問:ダンボール男（Twitterの「#呟怖」投稿から生まれた創作怪談）

家庭訪問:ダンボール男

そのころの彼女は──仮に「Kさん」としておこう──生徒一人一人に必死で向き合おうとする、マジメな先生だった。

でも彼女の学区というのが、

まあ、いろいろと「難しい家庭事情」の世帯が集まりやすい街だったようで、

「クラスの子全員にとって良い先生であろう」とする努力自体、かなり難しいものだった。

Kさんも日々、疲労の色が出てきていた。
そんな状況だった。

そんな彼女にとってとくに憂鬱な年中行事が、
いわゆる家庭訪問だった。

そして彼女にとってとりわけ忘れがたい家庭訪問の思い出となったのが、

カズノリくん

という生徒の父母を訪問した時のことだった。