家庭訪問:ダンボール男

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で、そんな「カズノリくんのお母さん」。 学校でつかまえてみたところで、 甲高い声で、 好調子で、 上機嫌で喋る。 早口で喋る。 ベラベラと喋る。 「お宅のお子さんが心配で」という真剣な相談を担任教師がしているのに、やけに楽しそうだった。 「まあ、うちのカズノリちゃんがそんなご心配をかけていたなんて! ほんとうに申し訳ございませんねえ。 でも、おうちではとてもよく勉強もして、ごはんもよく食べて、とにかく良い子なのですよ? もしかしたら、学校で仲良しのお友達ができずにいるのかしらねえ? そういうところは、カズノリちゃんにも、あるかもしれませんわねえ。 でも、そういう時期ってどうしても子供にはありますわよねえ。 あ、そういえばわたしがあの子くらいの年齢の頃も、、、」 うんぬん。 凄い勢いで喋り散らされて、 Kさんとしては、 「はあ」 「ほう」 「ええ」 といった相槌を打つことしかできないうちに、唐突に、「それでは、しつれいしますね!」と帰られてしまった。
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