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越後の龍
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時は16世紀中頃。後に戦国時代と呼ばれる、この国が戦乱の渦に巻き込まれていた時代。誰もが国の頂点、つまり天下を獲ろうと親兄弟関係なく争っていた。
その中で熾烈な戦をかいくぐって有力武将となっていたのが、越後の上杉謙信と甲斐の武田信玄。そして相模の北条氏康と駿河の今川義元。
甲斐・相模・駿河の三国は甲相駿三国同盟を結んで互いに警戒・協調関係を築いていた。そして甲斐は越後と数度に渡る戦いを繰り広げていて、その決着は未だついていない。
越前では朝倉、北近江では浅井が若き当主を迎えて躍進中であり、西では毛利元就が安芸国をほぼ制圧していた。
そして尾張では稀代の大うつけと言われた織田信長が、そのカリスマ性と厳しい政策で着々と力を見せつけてきており、一層混迷が広がっていた。
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