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兄の後悔
―――
暇を言い渡された蘭は、早速蝶子の元へと向かった。
しかし意気揚々と部屋を開けた瞬間降ってきたのは――
「遅い!!」
「ひぃっ……!ご、ごめん……」
世にも恐ろしい蝶子の怒鳴り声だった……
「わ、悪かったって……しょうがないだろ?仕事だったんだからさ。」
「それにしてもあんまりじゃない。あの蘭が珍しく活躍したって言うから褒めてあげようとしたのに、城に帰ってきても顔すら見せないなんて。あーあ、どうせ私の事なんて忘れてたんでしょ。」
「そ、そんな事ねぇよ!確かに顔出さなかったのは悪かったけど、忘れる訳ないだろうが。お前の事。」
「え……?」
「タイムマシンの進み具合が気になって気になって、眠れなかったよ。」
「そっちかい!」
蝶子の渾身のツッコミに笑いながら、蘭は畳に腰を下ろした。
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