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「変わった事ねぇ……あ、そうだ!ちょっと聞いてよ!信長の奴、実の弟を風邪だって嘘ついて呼び出して、殺しちゃったのよ!信じられる?」
「……やっぱりそうなんだ…歴史は変えられないって事なのかな。」
そう言うと、蘭はゆっくり目を閉じた。
「え?何、どういう事?」
「歴史のテキストに書いてあったんだよ。信勝さん……その弟さんの事なんだけど、信長にやられちゃうって。現実になって欲しくはなかったけどな……」
「蘭……」
蘭の落ち込みように流石の蝶子も言葉を失う。すると蘭がパッと顔を上げた。
「で?他には?」
「え?え……っと。あぁ、あれも変わった事っちゃ変わった事ね。」
「何?」
「前田何とかさんって人が、味方の一人と喧嘩してやっちゃったらしいの。それで信長がカンカンに怒ったんだけど、勝家さんとか可成さんが間に入って仲裁してね。でもそのまま許しちゃったら信長も格好がつかないじゃない?だから一旦城は追い出したけど、近くの寺に預けてしばらく様子を見るって事で決着がついたみたい。でもあの信長の事だから、いつか殺しちゃうんじゃないかしら。まぁ、自業自得だけど。」
「へぇ~俺がいない内にそんな事が……ってちょっと待て!今、前田って言わなかった?」
「うん、言ったけど。」
「下の名前は!?」
「え、だからわかんないわよ。何とかさんって事しか。」
「そこ重要だから覚えとけよ……でも前田って言ったら……」
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