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「大体は石と同じか。でもこれには義元の最期の思念が色濃く残っている。元康に裏切られた無念の思いと、これは……何かに驚いているのか?思ってもみなかった事が起こった時に人はこういう反応をする。もしかしたらこの足軽に対して心の底から驚愕しているのかも知れない。信長、元康よりも要注意人物という事なのか。」
ふうっとため息を吐くと石と槍を風呂敷の中に戻す。そして眉間を揉んだ。
謙信は越後国主である。これまで上杉一族及び周辺の諸将らと戦を繰り返し、特に武田信玄とは深い因縁で結ばれている間柄であった。
越後の制圧に苦心した謙信は一度は仏の道に踏み込もうとしたが、家臣達の声があって再びこの城に戻ってきたのである。
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