甲斐の虎

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――― 蘭の活躍(?)で無事に桶狭間で今川義元を破る事が出来た信長は、すぐさま徳川家康と同盟を結んだ。尾張と家康の三河から狙われた駿河は、義元の死によってガラガラと崩れて滅亡するのも時間の問題であった。 しかしこれで満足している信長ではなく、次はどこを狙うのかを未来を知っている蘭に聞いているという状況だった。 「まぁ、焦る必要はないか。俺が義元を討ったことは嫌でも知れ渡る。こっちから行かずとも敵の方から勝手にやってくるだろうし、それを迎え撃つという選択肢だってあるんだからな。」 「はぁ……」 「それはそうと蘭丸。お前まだゆっくり休んでいないだろう。」 「え、えぇ。何だかんだ忙しくて。え!?休んでいいんですか?」 蘭が飛び上がって言うと、信長はそっぽを向きながらこれ見よがしにため息を吐いた。 .
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