【第四章 結末】

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「畜生……っ! あと少しだったのに」 「すまん、樹。俺が油断したせいだ」 「今言ってもしょうがないさ。嘉月らしくなかったのは確かだけどな」 「……すまん」 嘉月は、かわいそうなくらいしょんぼりしていた。 こんな珍しい様子をみられただけで、なんか得した気分になるな。 この状況で、俺って平和。 まぁ、真相がわかっちまえば、こうなるよな。 「それより……どうしよっか、嘉月? 扉は、開きそうにない」 「ずっとここにいるわけにはいかないし……紫乃さん……いや、紫乃が犯人だったんだな」 「いや、あれは、ブラフ」 「はったり?」 「ていうか、カマかけた。で、わかったことがある」 「なんだ」 「言えないな、今は」 「この期に及んでなにを」 訝し気な嘉月を無視して、提案する。 「まずは、ここを出ようよ。たぶん、どっかに隠し通路とかがあると思うし」 「……冷静だな」 「こういう時こそ、冷静になっちゃうんだよなー、俺の頭」 「それにしても……寒いな。飢える前に、凍死しそうだ」
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