【第四章 結末】

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「そういや、今回『凍死』はなかったな。……ていうか、問題はどこに……隠れている……? 立ち入り禁止エリア……いや、歌声がある……やはり、北の塔……」 「何をブツブツ言っている」 「いや、早いとこ抜け道探さないと、俺もやばいなって思って。腹減ってきた」 「俺たち、な。抜け道なんて、あるのか」 「あるはずなんだ」 根拠はあった。 風が、吹いている。つまりどこかに、空気の通り道がある。 「……あっ」 「今度はなん」 「しっ! だまって……」 最初は気のせいかと思った。 けど、そうじゃない。 間違いない。 聞こえる。 歌だ。 「歌声が聞こえる……」 「まさか、人魚……?」 「きっとそうだ! てことは、このあたりに……?」 そこには、棺の形をした大きな拷問器具があった。確か、アイアンメイデンとか言うんだっけ? 俺はその辺りを隈なく捜索してみた。 間違いない。 「あった」 拷問器具を動かすと、影になっていた部分に小さな扉があった。鍵はかかっておらず、直ぐに開く。その向こうには、地下通路らしきものが続いていた。 「よくわかったな」
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