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「そういや、今回『凍死』はなかったな。……ていうか、問題はどこに……隠れている……? 立ち入り禁止エリア……いや、歌声がある……やはり、北の塔……」
「何をブツブツ言っている」
「いや、早いとこ抜け道探さないと、俺もやばいなって思って。腹減ってきた」
「俺たち、な。抜け道なんて、あるのか」
「あるはずなんだ」
根拠はあった。
風が、吹いている。つまりどこかに、空気の通り道がある。
「……あっ」
「今度はなん」
「しっ! だまって……」
最初は気のせいかと思った。
けど、そうじゃない。
間違いない。
聞こえる。
歌だ。
「歌声が聞こえる……」
「まさか、人魚……?」
「きっとそうだ! てことは、このあたりに……?」
そこには、棺の形をした大きな拷問器具があった。確か、アイアンメイデンとか言うんだっけ?
俺はその辺りを隈なく捜索してみた。
間違いない。
「あった」
拷問器具を動かすと、影になっていた部分に小さな扉があった。鍵はかかっておらず、直ぐに開く。その向こうには、地下通路らしきものが続いていた。
「よくわかったな」
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