【第四章 結末】

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「風も歌声もこっちからだった。床の埃が、そこだけ薄かったし。よし、行ってみよう……といいたいけど、中は真っ暗だな。嘉月、ライターなんて持ってる?」 「あいにく煙草は嫌いなんでな」 「だよな。じゃ、部屋の中に、何かあるはず」 「蝋燭があるな。燭台もある」 「じゃ、マッチかチャッカマンもあるはずだ。探してくれ」 「人使いがあらいな……これか、マッチがある」 「つくかな」 「……大丈夫だろう。ほら、これでどうだ」 嘉月が擦ったマッチで蝋燭に火をつけた。それを燭台にさし、掲げてみせる。 「おお! 明るい! じゃさ、それもって、嘉月お先にどうぞ」 「俺からか?!」  「そう」 「いやいや、ここは見つけたお前から」 「なんだよ、怖いのかよ」 「そうじゃない。が、小柄な方が先がいいだろう」 「俺は嫌だよ。背後からでっかい嘉月がついてくるの」 「意味がわからん」 「とにかく、嘉月が先。燭台もって、はい、レッツゴー」 嘉月は相当不満そうな顔をしていたけれど、地下通路に入っていった。俺は室内を再確認してから、あとに続く。 「道が左右に分かれてる」 地下通路に入ってすぐ、嘉月が言った。
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