待ち伏せボーイとうんざりガール

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「でもさ、今ノリでうさぴょんって呼んじゃったけど、なんかこれ結構良くない?親しみがあるっていうか、距離が縮まるっていうか」  どうして親しむ必要があるのだろう。どうして距離を縮める必要があるのだろう。  もう、しびれを切らしてもいいだろうか。 「いい加減にして」そう言おうとした所で、電車が止まった。 「宇佐美さんと話してるとほんとあっという間だなー。んじゃ、また明日。宇佐美さん…じゃなくって、うさぴょん」  そこはヤツの降りる駅だった。  今日で終止符を打とうと思っていたのに、ヤツはひらっと手を振って、私の気も知らずにあっさりホームに降り立ってしまった。 『宇佐美さんと話していると』って、ヤツは正気なのだろうか。はっきり言って私はほとんど口を開いていない。ヤツが一人でぺらぺら喋っているだけだ。
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