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「…頼んでないし」
「いやいやそんなこと言わずにさ。栄一は駅から結構離れてるじゃん、これだけ暑いと歩いてくるだけでしんどいでしょ?ってことはもうアイス食べるしかないよね」
もちろん俺の分もあるよ、と満面の笑顔でヤツはレジ袋からもう一本ガリガリ君を手に取って見せてきた。
ヤツが話す日本語自体は理解できるけど、その意味というか意図はやっぱり分からない。
私はこの「分からない」という心理状態にとにかくストレスを感じる。私に限らず、誰だって決して好きではないだろう。
でも例えば、授業で分からなかった所は後で先生に質問すれば解決するし、その他日常の中で疑問に思ったことはネットで検索すれば大抵は答えが見つかる。
でもヤツの場合は違う。「分からない」がひたすらに続いていく。だから嫌なのだ。
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