4人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
「この炎天下で足止め食らってるほうがしんどいから」
そう一言言い残し、私はさっさと駅の方へと歩き出した。もう限界だ。
けれどやっぱり、ヤツは後をついてくる。
結局、今日もまたいつものパターンだ。
「分かった分かった、とりあえず電車乗ろう。アイス要らないなら、俺二本とも食べちゃうよ?」
外袋を破り、水色ソーダ二刀流!と、何故だか決め台詞っぽくヤツは後ろで叫ぶ。けれど全然様になっていない。
どうせなら、あっという間に溶け出したアイスが持ち手の部分まで垂れてきて、手がべとべとになればいいのに。それで困ればいいのに。
我ながら性格が悪くなったものだ。でも、それもこれも全てはヤツのせいなのだ。
最初のコメントを投稿しよう!