ヒーロー⑹

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ヒーロー⑹

急いで体育館に入るとまだ誰も居なかった。 ほっ、と息をつきながらボールのところへ向かうとマネージャーの関口がボールを磨いていた。 「おはよ関口!今日も押し付けられたのか?」 「あ、おはよう南原君。まぁいつもの事だから。」 「‥そっか。じゃあ俺もボール磨こ~っと! 」 「え、 いつも悪いよ‥」 「平気!平気!俺ボール磨くの得意だからさ。」 関口は2年で部員ではなくバスケ部マネージャーをこなしてくれている。 押し付けられると断れない性格らしくてボール磨きなんて1年がやる雑用をいつも先輩に押し付けられているらしい。 俺はそういうの嫌いだから、毎朝一緒に磨いてる。 自分でボール磨くと部活も頑張れるしね。 しかも関口と他愛もない話しながら磨いてるのは楽しい。 「偽善者。」
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