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ヒーロー⑸
「‥何言ってるんですか?ちゃんと寝てますよ!朝練もあるんで睡眠はきちんと取ってますよ。」
朝あの夢見たからだろうか。
‥‥あの悩みのせいなのか。わからないけど笑いながら会長からぱっと離れる。
「‥それなら良いが無理はするなよ ?」
会長は大きな手のひらでぐしゃぐしゃに俺の頭を撫でてくる。
その手のひらは昔の父親に似ててドキッとしながらよける。
「何言ってるんすか会長!俺は元気ですから心配ないですよ !」
俺は会長のなんでも見透かす目で、俺の心も見透かされるのが怖くて逃げるようにして体育館に体を向けた。
「じゃあ朝練があるので行きますね!また放課後に。」
会長の返事も聞かず、俺は体育館に向かって走り出した。
会長が俺を見えなくなるまで見ていたとは知らずに、俺は体育館に向かって走っていた。
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