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「ほんと、テストのストレスで胸が痩せちゃうよ」
千秋はそう言うとわざとブラの位置を直し始める。
第2ボタンまで外された胸元から谷間が見えていて、男子たちがあからさまに鼻の下を伸ばして千秋を見ている。
「ちょっと千秋……」
若菜が注意するが、千秋は知らん顔。
もともと見せつけるためにやっているのだから、どうってことないみたいだ。
あたしは、好きな人以外に胸元を見せるなんて嫌だけどなぁ。
そう考えて、チラリと和樹に視線を送る。
和樹は紀一と幹生の2人と夏休みの計画について話をしている最中だ。
「ね、ねぇ和樹」
ドキドキする心臓に胸を押さえつつ、声をかける。
「なに?」
和樹が振り向いて視線がぶつかった瞬間、あたしの心臓は大きく跳ねる。
全身が熱を帯びたようにカッと熱くなるのがわかって、咄嗟に下を向いてしまった。
「な、夏休みって……どうするの?」
必死に緊張を押さえて質問する。
上目使いに和樹の答えを待っていると「今なにするか話してたところなんだけど、
海にでも行かないかって」と、にこやかな返事があった。
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