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その匂いの中にはアンモニア臭も混ざっているようで、普段かいだことのない臭いに顔をしかめた。
嫌な予感がする……。
心臓はドクドクと早鐘を打ち始める。
口の中はカラカラに乾いていた。
そんな中一歩一歩足を前に進め、そして倒れている幹生の姿を見つけた。
「っ!!」
声にならなかった。
幹生は千秋と同じように包丁で刺され、すでに息絶えていたのだ。
「うっ」
吐き気がこみ上げてきて、両手で口を覆ってどうにか押さえる。
衝撃と気持ち悪さで涙が浮かんだ。
なんでだよ。
なんで幹生まで殺すんだ!
幹生と新が同じゲームの話題で盛り上がっているところを何度も見たことがあった。
2人で遊びに出かけることも多かったみたいで、8人の中じゃ新と幹生は親友と言える関係なのだろうと勝手に思っていた。
でもこんなにアッサリ殺すなんて……。
新からすれば幹生のことなんて大切な存在じゃなかったってことか?
考えれば考えるほどわからなくて、メマイを感じて近くの机に手をついた。
とにかく幹生をこのままにしておくのはかわいそうだ。
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