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あたしははき掃除をしながらその光景を横目で見ていた。
1年生の部員の中では俊和は一番カッコイイ。
人数が少ないからではなく、本当に学年で1位2位を争うくらいのイケメンだった。
「なにあれ、抜け駆けしちゃってさ」
麻由子が面白くなさそうに頬を膨らませて言った。
「麻由子も俊和がいいの?」
あたしは手を休めずに聞く。
「あったりまえじゃん! 何のために映画部に入ったと思ってんの?」
その言葉にあたしは呆れてため息を吐き出した。
「それよりも、早く掃除を終わらせないと活動できないよ」
あたしがそう言うと、麻由子は渋々掃き掃除を再開したのだった。
☆☆☆
合宿所に到着して1時間後。
あたしたちは休憩室と書かれた部屋に集合していた。
白いソファがコの字形に置かれていて、真ん中には大きなテーブル。
薄型テレビにブルーレイプレイヤーが設置され、壁に置かれている棚には沢山のブルーレイディスクが並んでいる。
「うおぉ……この部屋すげぇな!!」
部屋に入って一番目を輝かせているのは菊島孝利(キクシマ タカトシ)だった。
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