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俊和はそう言いながら1番に先生の後に続き、隣の部屋へと足を踏み入れていた。
その部屋はウォークインクローゼットのように細長い作りで、フローリングになっている。
左右の壁には天井まで届く棚が設置され、DVDがぎゅうぎゅうに並べられている。
それを見てあたしは思わず嘆息した。
これ、全部歴代の先輩たちが作成した映画なんだろうか。
そう思うと全身の血が湧きたつ感じがした。
「すげぇ……」
孝利が目を丸くして呟いた。
「最近は部員が減ってきたけど、昔の映画部は活気があったらしいぞ」
浅野先生はそう言い、自慢げに棚の作品たちを見つめた。
藤棚高校映画部は、沢山の映画関係者を排出してきたことで有名だった。
今年の入部希望者は6人だけだったけれど、浅野先生は前任の先生の意思をしっかりと受け継いでいる。
きっと、また沢山の成果を上げて部員たちも増えることだろう。
「どれを見てもいいの?」
麻由子が浅野先生へそう聞いた。
「もちろん。ただ、今日はもう時間が遅いから1本だけな」
そう言われて、あたしは腕時計を確認した。
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