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合宿
都心の肌が焼けるような熱さから逃れた先は、山奥の合宿所だった。
映画部の1年生6人と、顧問の男性教員1人、計7人で大きすぎる建物を見上げる。
「普通の学校と同じくらいの大きさだね」
大きなキャリーバッグを転がしながら歩いて来た、小谷祐里(コタニ ユウリ)があたし、長田恵里菜(ナガタ エリナ)の隣で立ちどまり、そう言った。
「昔小学校だったみたいだよ」
あたしは祐里へ向けてそう返事をした。
見上げた建物は3回建てで、あたしたちの通う藤棚高校と同じくらいの広さを感じらせた。
校舎手前のグラウンドも広くて、生徒たちが遊んでいた様子が思い浮かんできた。
「こんな場所に小学校を建てるなんてどうかしてる」
そう言ったのは湯本亮輔(ユモト リョウスケ)。
確かに、ここへ来るまでに途中でバスを降り、底から更に1時間ほど山道を歩い
て来た。
「特別な学校だったんだよ、きっと」
あたしはそう呟いて校舎を見上げた。
灰色のコンクリート塀はアチコチがひび割れて、もう長い間使われていないことがわかった。
「特別な学校って?」
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