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夜に、叫ぶ。
俺は調査資料をクライアントに届け、ようやく家路に着いた。とりあえず、調査結果には満足してもらえたようだった。これで次の仕事も回してもらえるだろう。……なんとか、食いつなぐ事はできるな。
ほっと息をつき、コーヒーを飲む。何か、古い渋めの映画でも見て寝るかな……そう思っていた時。
ぶるるる……
携帯のバイブだ。また先輩からか? 珍しいな、一日に二度も電話が入るなんて……。
「はい、勇二です」
「勇二か。俺だ……」
それは一瞬、ほんとに先輩なのか? と思ったほど、弱々しい声だった。
「先輩、どうしたんすか?」
「実は……今」
「……」
「俺は、和美を……和美を、殺した」
「ええっ!」
なんだって?! なんて言ったんだよ、今。
「先輩、何言ってるんですか?!」
「今、言ったとおりだ。たった今、この手で妻を。和美を、殺したんだ」
「そんな……馬鹿な冗談はやめてくださいよ!」
わかっている。先輩は、こんな冗談を言う人ではない。
「冗談ではないんだ、勇二。勇二……今から、俺の家に来てくれるか?」
なんなんだよ。それで、俺が行ってどうするんだよ。
「来てくれるよな。頼むぞ……」
そこで、電話は切れた。どういうことなんだ、いったい……??
とりあえず、俺は……
A:ここはひとまず、先輩の家に行く事にした。→次ページへ
B:ゆっくりと、今の状況を考える事にした。→26ページへ
C:ここはひとまず、警察に連絡する事にした。→33ページへ
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