夜に、叫ぶ。

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 俺はひとまず、先輩の家に行ってみる事にした。    先輩が和美さんを殺したなんて、とても考えられない。しかし、なにかきっと、良くない事が起きているのは間違いない。さっきの先輩の声の様子は、ただ事ではなかった。俺が行ったところで、どうなるのかはわからない。でも、先輩が俺に「来て欲しい」と頼んでるんだ。この俺に、あの先輩がだ。とりあえず、行ってみよう。俺は車に飛び乗り、エンジンをかけた。     運転してる間も、色んな思いが頭中を駆け巡った。何があったんだ、いったい。何かの事故か。誤って和美さんの命を落とすような事故があり、それを自分のせいと責めているのか。それとも、二人は表向きほど仲が良くなかったのか。毎日が実は修羅場だったのか。いや、そんなはずはない……!  キキキィッ!    間一髪。危なくガードレールに激突するとこだった。先輩の家に着く前に俺が事故っちまったら、シャレにならねえ。落ち着こう。俺は震える指で煙草をくわえ、大きく息を吐き出した。                             時計の針が深夜0時を指す頃、先輩の家に着いた。あたりは、薄気味悪いほど静まり返っている。もしこの家の中で、殺人が起きたとしたら、こうは静かじゃないんじゃないのか……?  俺は車を降り、玄関の前に立った。そして…… A:俺はそのまま立ち止まり、考え始めた。→13ページへ B:俺は、裏口に回ってみることにした。→次ページへ C:俺は、玄関のインターホンを押した。→7ページへ
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