夜に、叫ぶ。

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 ガッシャーン!!    物凄い音とともに、仁美と先輩の身体は、窓ガラスをぶち破り、表へと飛び出した。 「先輩!」  俺の視界から、2人の身体は消えた。そして、窓の下の方から、「どすん… …」と、嫌な、鈍い音が響いた。  俺は慌てて窓に駆け寄り、下を見下ろした。眼下の地面には、先輩と“仁美”が、折り重なるように倒れていた。2人は、ぴくりとも動かない。……俺は、その場に座り込んでしまった。     しばらくして俺は、右手に刺さったままだったナイフを、抜き取った。 「くくっ!」  骨を貫いたナイフは、激痛とともにようやく手から離れた。  からーん……  ナイフを放り投げ、俺は階段を降り、下へと向かった。  玄関を出て、先輩と仁美が倒れている場所に来た。仁美の首は捻じ曲がり、脚もあらぬ方向を向いていた。さすがに、これではもう動けまい。しかし……先輩の顔もまた、身体とは逆の方向を向いていた。 「先輩……」  俺はかがみこみ、先輩の手を取った。 「すいません、先輩……俺は、先輩を助ける事はできなかった。最後まで、先輩に助けてもらうだけでした……」  そう言い終えた俺の目から、どっと涙が溢れ出した。 「すいませんでした……!」  俺の懺悔は、もう先輩には届かない。  今はただ、沈黙だけがあたりを支配していた。  動かぬ先輩に、俺はいつまでも謝り続けていた……。     ―了― (Bad ending-#18)
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