5270人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁ? そちらこそ、初対面でこんなにキツイ言い方するとか、どうかしてると思いますけど。男勝りで、あなたこそ恋人できないんじゃないんですか?」
いい加減カチンときたらしい古賀っちが応戦すると、あーちゃんは急に魂が抜かれたような顔になる。
「言い方がきつい……男勝り……そう言われて彼氏とも別れた」
蚊の鳴くような声でそう言うと、古賀っちも急に慌てだしてあーちゃんの肩を支える。
「えっ、あっ、ごめ……いやっ、ほらっ、図星だからきつく感じただけで」
「正直なことは悪いこと? 思ってることは伝えてナンボでしょ?」
「おっしゃるとおりで」
なんだこれは。あーちゃんと古賀っちがミニコントでもしているかのようだ。私は身内の恥ずかしさと呆れで脱力したけれど、羽島課長も三浦さんもクスクス笑っている。
「あー! 小宮さん! お久しぶりです」
その時だった。少し離れたところから大声で私を呼ぶ声が聞こえた。そちらを見ると、なんと結婚退職した梅原ちゃんがぶんぶんと手を振り、こちらへ小走りで向かってくるところだった。梅原ちゃんの出席は聞かされていなかったので、本当に驚く。
最初のコメントを投稿しよう!