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今日は、南条さんと小宮さんの結婚祝いのパーティーだ。ふたりは先月入籍し、身内だけで式を済ませたそうなのだが、堤さんが、披露宴がないのなら、せめて会社関係の仲間を集めて披露パーティーをするぞと言って、無理やり幹事を買ってでたらしい。
招待されたのは、小宮さんや南条さんの同僚たちや、親しい取引先でもあるうちの会社の辻森さんや俺。そして、それぞれの家族も出席可とのことで、俺は奥さんである先生を同伴して出席させてもらった。
「小宮さんも綺麗だけど、先生も綺麗だよ。そのドレス似合ってるし、髪の毛アップにしてるのも久々に見た」
「ふーん」
「照れてる顔もあいかわらず可愛いね、センセ」
わざとたたみかけると、先生は腕組みをしてちらりと照れ隠しの睨みをきかせる。
「そんなのいいから、料理を取りに行くわよ」
「ハハ」
最近お互い忙しく、しかも先生の仕事は深夜上がりだということもあって、結婚して一緒に暮らしているのにすれ違いが多かった。だから、こうしてふたりで着飾って外へ出るのは久しぶりで、思った以上に楽しい。
「あぁ、いたいた、時峰」
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