南条×小宮

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「でも、めちゃくちゃ気になって食い下がって聞いたら、南条王子とか嘘つくんですよ? 冗談きついしバカにしてますよね? そんなの、ありえないのに」 「ハ……ハハ……」  そのとおりです。ありえないはずでした。すみません。ホントすみません。 ひきつった笑顔のまま、心の中で謝る。ていうか、堤課長がひどいのか、梅原ちゃんの言いようがひどいのか、もはやわからない。 「この会場にいるんですよね? どの人かな~」 「あのさ……梅原ちゃん、実は……」 「わ、噂をすれば、堤課長と南条さん! お久しぶりです~」  南条さんがいるからか、梅原ちゃんの声が一オクターブ高くなった。きっと堤課長だけならこうはならないだろう。人妻なのに、クネクネして唇を尖らせている。さすが梅原ちゃんだ。 「よお、久しぶり。ちゃんと来れたんだな、梅原。サプライズ成功か?」 「はい、バッチリでした! ていうか、堤課長、いい加減教えてくださいよ、小宮さんの……」
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