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そもそも辻森さんには告白されたわけでもないし、堤課長伝いで交際を知られていたからだろう、結婚についても普通に「おめでとう」と喜んでくれた。だから、とくに問題なんてないと思うのだけれど……。
でも南条さんは、ずっと気にしてくれていたということだろうか。あぁ……尊い……萌える……。
「あ、あの、結婚したことで祝福されるのも嬉しいですけど……私、みんなの前で正々堂々と南条さんと一緒にいられて、あの……ものすごく嬉しいというか、幸せです」
南条さんの顔を覗き込んだ私は、恥ずかしさを押し殺して笑顔でそう言った。
自分を卑下する気持ちはまだゼロではないけれど、南条さんのおかげで愛されているという自信がついてきたのだ。それを、これから伝えていきたいし、お返ししていきたいとも思う。
「静佳さん」
すると、南条さんは優しい顔をして、そっと私に口づけてきた。
「私を選んでくださって、ありがとうございます」
「はっ! いえっ! こちらこそです! 改めまして、末永くよろしくお願いいたします!」
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