羽島×菜乃香

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「えー、せっかくなんですから時峰夫人も一緒に……あ! そうだ、堤課長!」  するとすかさず、小宮さんが堤課長の腕を引いた。そして、カメラを笑顔で手渡し、「お願いします」と敬礼している。その横で南条さんも頭を下げる。 「おい、俺とは一緒に入りたくないって?」 「違いますよー、後でまた一緒に撮りましょ、古賀さんとかうちの妹と一緒に」 「古賀と同等に扱うな」  堤課長はぶつくさ言いながらも、私たちを噴水の前へと誘導し、カメラを構える。真ん中の小宮さんと南条さんを、私と羽島さん、時峰さんと奥さんがはさむ構図だ。 「おーおー、なんだなんだ? 全員幸せ全開な顔しやがって。まぁ、いいか、撮るぞー!」 「はーい、お願いしまーす!」  小宮さんの声を合図に、みんなで今日一番の笑顔を作った。 「はい、ピース!」 ≪おわり≫
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