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最近ゆっくり話ができていなかったし、夫婦になったからとはいえ、いろいろ吐き出させてあげる時間を作らなきゃな。仕事のことなのか、俺とのことなのかわからないけれど、あとでちゃんと聞いてみよう。
「時峰さん! 辻森さんから、時峰さんが奥さんと来てるって聞いたから、拝見しに来ました。さっきご挨拶した時は人がいっぱいでバタバタだったから、気付けなくて」
しばらく考え事をしながら料理を皿に盛っていると、うしろからトントンと肩を叩かれた。振り返ると、小宮さんだった。背後には南条さんもいる。
驚いた俺は、辻森さんと話していたんじゃないのかと周りを見回す。すると、辻森さんはすでに堤さんにつかまっていた。堤さんは家族総出で来ているみたいで、三人の子どもたちが辻森さんの取り合いをしている。日頃から、家族ぐるみでよく遊んでいるのだろう。
「あぁ、妻は今、ちょうど席を外してまして。でも、すぐに戻ると思います」
「そうなんですね。ていうか、時峰さん、ご結婚何年目なんですか?」
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