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「4年目に入ったところです。子どもはまだですけど……ていうか小宮さん、一年ほど前に街でばったりお会いした時には痩せていらっしゃいましたけど、だいぶ戻ってきたようで……もしかして、ダブルでおめでたとか?」
「いえ、幸せ太りです」
「そうですか、それはそれで何よりです」
お互い満面の笑みでその場を取り繕っていると、南条さんが、
「あ、奥様ではないですか? 戻ってこられましたよ」
と口を開く。
こちらに向かってきた先生に注目していると、気付いた先生は立ち止まって深々と頭を下げた。
「このたびは、本当におめでとうございます。お世話になっております、時峰です」
「わー、やっぱり奥さん! いえ、こ、こちらこそお越しいただき、ありがとうございます!」
「ありがとうございます」
南条さんも一緒に頭を下げると、すぐに隣の小宮さんが顔を上げ、
「とってもお綺麗ですね! 素敵です、時峰さんと一緒にいると、絵になっててラブラブ感が伝わってきて、本当に素敵で、絵になっててラブラブで……」
と目を輝かせながら繰り返す。
それを見て、南条さんが小宮さんの肩に手を置いた。
「小宮さん、もしかして少々酔っていますか?」
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